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日本人にとっての正義感の推移 [21世紀の種]

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それぞれの国のそれぞれの人たちが、それぞれの歴史風土や文化土壌に価値観の基準を立てて生きている。
宇宙的な観点でみれば万物は平等かも知れないが、社会的な基準でみれば正義や正論はそれぞれの育まれた風土や時代によって異なっているのが事実である。
国際社会の戦争や争い事はどちらが正しいというよりも、そういった国家単位での考え方の相違から起こっているものが多い。(特権を持った組織による仕組まれた謀略などでない場合は、国家の主義主張や意地面子といった案外にも稚拙な考えで争い合うことがある。特に人心を争いに向けるためにはそういった幼稚で煽情的な宣伝が功を奏する)


現代では純粋な意味での“宗教戦争”は起こりにくいように思われる。宗教的信条に名を借りていてもその実は経済的支配であったり覇権目的であったりして、そのための大義名分に過ぎない。(一般大衆は扇動され間違って宗教戦争と捉えたりする事もあるけれど)
'80年代頃までのイデオロギー闘争は影を潜めて、今では国家や政治体制に不信感を持つ人々は個々の感性の基準で闘争本能を解放しているように思える。

どこまで正確であるかには疑問が残るが、地球全体が情報化社会になりネットの普及もひと役買って、諸々の国が何を考えどの様に行動しているのか大方の把握が出来るようになってきた。そして国家基盤のそれぞれの特徴や違いが分かって来ると、なかなか世界は一筋縄で束ねる事は間違いだと分かって来る。


改めて世の中を見渡してみると、我が国ほど混然一体となった国も珍しく思える。
それは様々なジャンルに於いて言えることなのだが、昔から言われている通例として“お盆には仏壇を飾りながらクリスマスが来ればケーキで祝い、新年を迎えれば神社に初詣に出掛ける”生活感覚。八百万の神の感覚はそういったものなのだろうけれど、ギリシャ神話や北欧神話の多神教でさえも宗教に対するそれ程のおおらかさは見受けにくい。
日本では古代から幾度となく国家規模での思想遍歴はあるけれど、明治維新を境にして西洋の近代化を取り入れてゆく過程で一神教的思考が価値観の基準を占めるに至ったようだ。それによって民族特有の価値感覚としての“曖昧さ”は影を潜めてしまった。曖昧であるということは“いい加減である”ということで「良い按配(塩梅)」でもあるという事なのだが、西洋文化には理解されないこの感覚が失われた。そして例えば世間一般の「正義」という概念もそれに伴って変容した。曖昧さは排除され、はっきりとした明文化・法制化に頼る、言葉を変えれば社会の基準・権威に頼る気持ちが強くなった。世の中が成熟すれば様々な価値観の雑居で混乱し、統率が取れにくくなり精神的な不安定感が高じるのは当然なのだろう。


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日本には仏教思想の流れとして独特の「歎異抄」という善悪の捉え方がある。善悪というフィルターを通して実は人々の陥りやすい「善人ヅラ」というものを看破している。慈悲とか愛情とか口には出すけれど、エゴがある限り「他力本願」の真の意味を理解できず欺瞞のままで善意を垂れ流している輩が多くなってしまったのがこの国の今の様に思える。
そしてかつての様に偽りを戒める畏怖の念を与えるものが無くなって、怖いモノ知らずの民の住む社会となった。これを進歩と呼ぶのだろうか?

普遍的な基準を見失ったこの国が必要とするものは、“温故知新”の心意気で歴史を振り返って見い出す自分たちの素顔だろう。そしてかつて人々の心に生きていた「義侠心」という曖昧で不条理な正義感を呼び戻す事のように思える。
日本にはかつて「任侠」と呼ばれる超越的な正義感覚が存在していた。“かつて”と銘打つのは、現代ではヤクザも任侠もすっかり似非(エセ)になって地に落ちてしまったからだ。法や権力では及ばない“超越的正義”の存在を信じられる社会でなければ、人生に希望を持てない世の中になってしまうだろう。


※日本人の正義感「義侠心と任侠」の概念については改めて考察してみたい。


 


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コメント 2

いっぷく

コメントありがとうございました。
私もガンになったときの医療費が心配で
つい先日ガン保険に入ったばかりです。
by いっぷく (2017-11-18 21:58) 

扶侶夢

>いっぷくさん、ご来訪&コメント有難うございます。
いつも独自の切り口の興味深い話題を楽しみにしています。
11月18日の記事でしたか、
>弱者をヘルプしながらみんなが人らしい暮らしをして経済が回る、これに勝る「投資」とやらのロードマップを示せるものか…云々
…これは印象深い言葉でした。これからも世間に対してグサッと刺さる言葉を投げかけて下さい。
by 扶侶夢 (2017-11-19 19:54) 

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