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小説「ゼロの告白」/第七章 [ギャラリー]

【ゼロの告白/第七章~彷徨いの日々】

 知らぬ間に自己の意図と関係なく裏の世界に埋没してゆく自分がいた。働き口を探している時でも気がつけば、世間からは地位が低く低俗と見られている所謂マイナーな職種に就いている。性に合っていると言ってしまえばそうなのかも知れない。

 いつ頃からそんな生き方を志向するようになっていったのか良く分からないが、二十歳を越えた頃からはこの男には確かにその傾向があったような気がする。考えてみれば、見た目の従順さとは裏腹にどこか反抗的な気分が子どもの頃から宿っていた様にも思えるが、それは単なる「反抗期」というやつかも知れない。周りが評価するものに対して素直に同調できない男自身がいた。世の中は、なるべく安心出来るように誰もが理解し対応できる、均一化した人間を育てようと考えているものだが、そんな世間からはみ出さずにはいられない性分というやつだろう。
 しかし人というのは不思議なもので、枠からはみ出せばはみ出したで、自分を律する何か思想や主義といったものを求める様になってくる。固定観念も持たず何に立脚する事もなく生き続けるという事が人間には出来ないものなのだろうか。自分の中心にゼロの存在を受け入れる発想は人間にとって難しいことなのだろうか。

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